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こんなもんなの~?

趣味の写真を添えて、日々の『戯言』を・・・

男と女、子供のコスモロジー 


『 あしびきの 山に行きける山人の 心も知らず やまびとや、誰 』 
                                     万葉集・舎人親王(句)


2011-10-08 華2192

山里の小さな村を訪ね歩けば、昔はこんな情景が目に飛び込んで来たのだろう。

両脇の樹や太い竹の間に張られた、荒縄で作られた色々な魔除けが吊るされている。

ヤマトの国:日本には、山人の村が何処にも点在していたことだろう。

山から授かる大切な物(聖なる山の贈り物)に、

感謝の心と畏敬の念を抱いて日々の生活を暮らしてきたはずだ。


2011-10-08 華2193

木々には、細く長く編んだ“へび”がぶら下げてある。

村々では周りを結界し、村外からの魔や邪の侵入を防ぐことに心を砕いた事であろう。

2011-10-08 華2194

『 犬供養と人形送り 』

「 犬 供 養 」
子供を産む、また将来産むであろう女性たちが、お産が軽いと言われる犬にあやかり、安産を願う行事。

子安講で犬供養を行う事は、何処の村々でも広く行われた風習だろう。

サガマタと呼ばれるY字形の生木に梵字を書いた卒塔婆を立てる。(手前のY字形の木)

鉦や太鼓を打ち鳴らしながら、村はずれの辻へ、ねむの木で作ったサガマタを運び、

そこに握り飯を入れたツトッコという藁束を下げて立てた。

残った握り飯は家々に持ち帰り、神棚に供えた。


「 人 形 送 り 」
子供達中心の行事で、7月頃に悪霊退散を願って・・・

5月の頃には、田植えの直前に安産と五穀豊穣を祈願して建てたものである。(真ん中、上の小さな人形)

子供達は戦いの神である鹿島・香取大明神の陣羽織を纏った人形を作り、竹に差して集合する。

「鹿島・香取、ミーサイナ。戦いに勝って、ミーサイナ」と謳いながら村外れに行く。

其処で、お互いの人形をぶつけ合い、最後まで勝ち残った人形を、村の境に立てたという。


2011-10-08 華2195

太い幹に吊るされた草鞋。

村に入って来る悪魔に、此の大きな草鞋を差し上げますから、早く村の外へ出て下さいと・・・


2011-10-08 華2196

『 かしま人形 』

秋の彼岸前になると、村人が新藁を持ち寄って、武者姿をした男女一対の藁人形を作る。

手足の指が四本で、腰には大小の刀を差し、男人形は袖絡、女人形は薙刀を手に持たせる。

完成した人形は、村の中心である春日大神宮に、悪病退散・五穀豊穣を祈って奉納した。


2011-10-08 華2197

木々の間に跨る荒縄で作った “大蛇” が横たわる。或いは垂直に魔や邪の侵入を待ち受ける。

大きく口を開け開いた大蛇の威力によって、清浄に保たれた村を怪我して欲しくない願いからなのか?


山麓の村々を歩くと、この様な光景をしばしば見受けることができる。

山には神霊が棲むと同時に、一方では妖怪や魔や邪も住み着いていると考え、

崇めるとともに、魔処として畏れもしたのであろう。

魔や邪の侵入を防ぐための拙い魔除けに始まり、次第に高度な祭りへと変化昇華した事であろう。

「農耕と霊山の信仰」「山と人の一生」、村人たちは山を崇め畏れも抱いた。

そして村に魔や邪の侵入を防ぐ方法をも編み出した。

素朴な民衆の原始的宗教心に、男と女、そして子供のコスモロジーを観たような気がした。

「やまと魂」と言へば、勇猛果敢な戦う力を感じるが、

「やまと心」と言えば、やまと民族の心のコスモロジーを感じる。

長閑な一日の散歩に、「やまと心」の一端を垣間見ることができた。

村々の “ぶらり旅” の楽しみって、「こんなもんなの~?」



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category: 雑感

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コメント

忘れていたもの

精霊でもいそうな感じになってきます。

街、ビルばかり見ていると、こんな風景だとか行事だと忘れがちですが
これも日本ですねえ。

それも無味乾燥な冷たそうビル郡よりも温かい風景ですよねえ。

犬山にゃん太郎 #WVb5vgCk | URL | 2012/11/12 23:18 - edit

かしま人形、
ちょっと不気味ですね・・・。
こんな習わしがあるなんて知りませんでした。
だんだん忘れ去られていくのでしょうね。
残念(>_<)

ちくわ #- | URL | 2012/11/13 07:17 - edit

みなれないもの

こんにちは。

写真の様な、日常的に見慣れない物を、それも人里離れた所で目にすると恐ろしい感覚に襲われますね。

musselwhite #HfMzn2gY | URL | 2012/11/13 15:15 - edit

秋の京都へ・・・

“にゃん太郎”さん、こんばんは

魔除けの“おまじない”を見ていると、子供心を取り戻せたような気がしました。
長閑な陽を浴びて風の音を聞いていると、子供達の声がざわめいて聞こえてくるようでもありました。
日本の習俗の原風景を垣間見れて、何とも心温まる思いでした。

19日には、日帰りで京都観光に行きますが、祇園や木屋町方面は時間が無くていけませんが、“にゃん太郎”さんのブログで楽しんだので・・・我慢するとしましょうか、ね。

夢旅人 #- | URL | 2012/11/13 18:18 - edit

冬こそカヤック?

“ちくわ”さん、こんばんは

カヤックで冬のキャンプとは、何とも寒そうですね。
大自然に抱かれて静寂の中のキャンプも、また風流なものでしょうね。

昔の村人たちが如何に自分たちの村を大切に扱ってきたのか、結界をし魔や邪から村を守る風習・・・昔思いは昔へと飛び、懐かしくもありました。
都会のコンクリートジャングルに身を置いていると、心が段々殺風景になっていき、人間性が何処かに消えていきそうな思いです。

そんな時こそ、カヤックでノンビリとキャンプでもし、心の洗濯といきたいものですね。
寒さにめげず、冬のカヤックを楽しんでください!!

夢旅人 #- | URL | 2012/11/13 18:26 - edit

心温まる思い・・・

“白熊”さん、こんばんは

色々な藁細工でもって、魔や邪などが村への侵入をするのを防ぐ風習ですが、仰せのとおり一種不思議な気分に陥ります。
「民俗学」なるものがありますが、日本人の心の置き所が何処に在ったのか?村々の風習を見ていると、何となく判るような気がしました。

藁人形にはゾッとしましたが・・・釘を打ち込むのではないと解かって一安心という事でしょうか。
女性の安産祈願が如何に大切に扱われたのか、五穀豊穣をどれほど願ったのか、素朴な日本人の心を見るようで、楽しい一時を送らせてもらいました。

夢旅人 #- | URL | 2012/11/13 18:33 - edit

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