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こんなもんなの~?

趣味の写真を添えて、日々の『戯言』を・・・

ささやかな願い 

2011-10-08 華2310

『 殻を一度取収るを 一年とは云なり 』

本居宣長は『古事記伝』の中でこの様に記している。

伝統的に、自然の移り変わりを捉える暦が農耕儀礼と重なって、人々の生活を律してきた。

お祭り好きな国民性を持っている日本人は、春には生産を予祝し、夏には悪霊を追放し、

秋祭りでは収穫を歓び、冬祭りでは火災を防ぎ、四季折々で森羅万象の‟ハレ”を祈願する。


2011-10-08 華2311

古い仕来りや原始的祭りの残っている村々を訪ね歩くと、不思議な祭りの残骸に出くわす事がある。

塵が積もった祠の中では、藁で作った牛や馬。そして真っ白な狐の絵馬が見える。

豊富な畑作の野菜が収穫される季節になれば、牛や馬に感謝をし、

農業の神であるお狐様の絵馬を奉納し、五穀豊穣に感謝の念を表したのであろう。


2011-10-08 華2312

「死者の霊魂は、丸い物に宿る」 と我々のご先祖は考えていた。

その昔、現代の様な五輪の塔を模したお墓の存在は無かった。

亡骸を山裾に捨て行く事を ‟荼毘に伏す” と言い、土饅頭の上には一つの丸い石を置いた。

其の死者の霊魂が返って来る処が、此の丸い石と考えたのであろう。

沢山の石が置いてあるが、何軒かの死者の霊魂の宿る所という事か。

それにしても四本の枝柱で囲い、素朴な藁の屋根を掛けるだけの祠?余りにも素朴である。

此れは以前ペットとして飼っていた動物の霊魂の為なのか?


2011-10-08 華2313

雨に打たれ、風に吹かれ傷んでいるが、此れは動物の亡骸でも埋葬した墓所なのか?

土饅頭には、字は読めないが卒塔婆の様な物が差してある。

懇ろに葬った後に、簡単ではあるが祠を設えたと云う事なのか。


『 現代に生きるアニミズムの世界 』

自然科学の発達と共に、無神論者が増えたと指摘もされている。

神・仏を信じなくとも、依然として神社仏閣に詣でる風習は廃れてはいない。

神社仏閣に縁はナイと言う人々でも、先祖の為のお墓は建立する。

根底に流れる霊魂に対する信仰は厳然としてこの世に存在してる。

2011-10-08 華2314

此の残骸は、恐らく村人のお墓であったに違いない。

誰の物かも判別は付かないが雑に扱う訳のもいかず、外部から魔が入り込まない様にと魔除けが建ててある。

未開社会に顕著であった、宗教文化の原初的形態であると、アニミズムを馬鹿にする者も居るには居るが、

そして、霊魂の存在すら認めようとしないが、果たして、そんな人は如何なる信仰も認めないのであろうか?

アニミズム・・・人間は、霊魂の他に周辺にある動植物や自然に対して、霊魂の存在を認めようとする。

        超自然的は神霊、生霊・死霊をはじめ動植物の霊魂までを精霊崇拝・アニミズムと云う。

村の路傍でよく見かける道祖神や祠、辻辻に祀られる六地蔵尊など、

社会や文化のあり方を垣間見る事は多い。

其処には、必ず 「ささやかな願い」 が込められている。

亡き霊魂をはじめ、地震や風水害・火事・疫病など等、

そして清らかな村中に外敵(魔)が入り込まない様に・・・

現世利益と云えば現世利益を求めるものであろうが、「己の為に」 という意思は其処には無い。

純粋素朴なご先祖さま達の 「ささやかな願い」 なのである。


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最先端な時代に生きる現代人は ‟自分だけ良ければ、其れで良い” とばかりに ‟我” を大切にする。

天下安泰・無病息災・五穀豊穣・万民豊楽の願いは何処に消えたのか?

我々の願いって、 「こんなもんなの~?」



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category: 雑感

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